「ゆゆしい音色」5−2:才能 【同人小説】

藤本に教えられた住所は繁華街の東西に走る車道から一本路地裏に入り口のある貸しビルの地下二階。劇場のボックス席のような入り口。夏だというのに目深にニット帽をかぶった男がもぎりをやっている。一人しか通れないくらいの狭い入り口通路を抜けて中に入るとそのまま奥へ奥へと縦長に続くダイニング、ベンチ、テーブル…