「ゆゆしい音色」10:ゆゆしい音色 【同人小説】

「プロになろうと思ったことはないの?」 羽生の質問はマユの耳には届かなかったのだろうか。こんなにいい耳をしているのに? 平らげられたばかりの何枚もの皿、中華料理の残骸を隔てて座る彼よりも少し年上の女。彼女のとりわけ高性能な耳は意味を持った言葉よりも周囲の環境にセンサーを向ける。実技の定期試験を済ませ…