飄々舎

京都で活動する創作集団・飄々舎のブログです。記事や作品を発表し、オススメの本、テレビ、舞台なども紹介していきます。メンバーはあかごひねひね、鯖ゼリー、玉木青、ひつじのあゆみ。

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【ポエムの条件】第一回研究報告~誰でもポエムを書けるようになるには~

こんばんは。あかごひねひねです。

 

先日書いた記事

 

hyohyosya.hatenablog.com

 

この記事の、ひとまずの研究結果をご報告します。

 

前回の記事のきっかけは、僕がポエムを書けないということでした。

「いつもネタツイートばかりだけど、その気になれば俺だって!」と、意気込んで僕が考えたポエムには、どこかポエムらしさが足りない。

ではそのポエムらしさとはなんなのか?

それが分かれば、僕にもポエムが書けるようになるのでは?

さらに、どんな文章もポエムにすることが出来るようになるのでは?

 

それが、前回のブログで発表したこの研究のテーマです。

 

研究方法としては、Twitterでポエムアカウントを見つけてはとりあえずリストにぶちこみ、それをひたすら眺めながら共通点を探っていく、というものです。

原始的です。そして構造的に主観は入りまくります。

なので、あまり期待せずお読みください。

僕の過ち

 最初に、ポエムツイートを眺めて気付いた僕の過ちを告白します。

僕は最初、ポエムの条件を「ひらがなが多い」「擬音が多い」「句点のかわりに読点を使う」など、そういうものだと思っていま 
した。しかし、これはどうも間違いのようです。

https://twitter.com/akagohinehine/lists/%E3%83%9D%E3%82%A8%E3%83%A0

↑これは僕がポエム研究のために作ったTwitterのリストです。少数のアカウントのリストにも関わらず、そのツイートを見てみると、その文体は多種多様。ひらがな多めのアカウントもあれば、句点の代わりに読点を使うアカウントもある。かと思えば句読点を使わずに空白で補っているアカウントもあり、句読点も漢字も普通使っているアカウントももちろんあります。 
そして、それらのつぶやきも「ポエムっぽさ」は持っているのです。

どうやら先ほどあげたような要素というのは、ポエムの条件というよりも、そのもっと表層近くにある、流派みたいなもののようです。

言い方を変えれば、既にポエムの条件を満たした上で、最後に個人のお好みでふりかけるフレーバーが、例えば「ひらがな多い」であったり、「句読点使わない」であったりするわけです。もちろん、何かしらのフレーバーを選択する必要はあるのですが、それはポエムの「条件」ではなかったのです。
しかし、僕はそれをポエムの条件そのものであると勘違いしていたのです。それが僕が見様見真似でポエムを作っても上手くいかない理由だったのだと思います。

いうなれば僕は、コーヒーも氷も何もない状態で、キャラメルソースだけを持ってキャラメルフラペチーノを作ろうとしていたのです。

まずはコーヒーを作らねば。

 

というわけで、ポエムツイートをいくつか見た上で、今の時点で僕が考える「Twitterポエムの条件」を発表していきます。

 

前提:やわらかい口語文

いちおう前提としてこれをあげておきます。これは「ひらがなが多い」のような具体的な技巧ではなく、「である」調ではない、「堅い漢字を使わない」くらいの意味です。

かたい文体のポエムは少なくともTwitter上ではポピュラーな存在ではありません。

スッと入ってくる話し言葉で書くことが、Twitterポエムの前提条件のようです。

 

条件1:主語を書かない。もしくは後から出す。

最初の条件は主語の位置です。

「僕は」「私が」といった言葉で始まるポエムは僕の見た中ではほとんどありませんでした。

例えば、「僕は〜に対してとても怒っている」というような内容でも、Twitterポエムでは「〜に対してとても怒っている僕〜」というような表現をされます。

もしくは「僕」という語句そのものが省略されてしまいます。

 

条件2:A but Bの構造

「〜だけど〜」「〜なのに〜」といった構造のことです。あまり意識しませんが、ほとんどのポエムがこれに当てはまります。

最初から最後まで一貫した内容を綴るのではなく、途中で変化を入れることで、引っかかりのあるポエムになるのかもしれません。

 

条件3:「僕」と「あなた」の関係性

これは、全てのTwitterポエムに当てはまるわけではありません。しかし、Twitterで「ポエム」と呼ばれているものの多くが恋愛について書いたものであることは、恐らく間違いありません。

ポエムの中に「あなた」に恋い焦がれる「僕」を組み込むことで、ポエムらしさは一気に上がります。

 

条件4:反復

これも全てのポエムに当てはまるわけではありませんが、多くのポエムで使われている手法です。

 

応用編

以上の四つ+前提条件が、現時点で僕が考える「ポエムの条件」です。

ここからはこの条件を検証してみようと思います。

 

上記の4つがポエムの条件なら、どんな文でもそれらを全て組み込めばポエムになるはずです。そこで、今回はこんな文章を用意しました。

 

‟吾輩は猫である。名前はまだ無い。

  どこで生れたかとんと見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。”

 

皆さんご存知、夏目漱石の『吾輩は猫である』の冒頭部分です。これから、この時点ではポエムには見えないこの文章に先ほどの条件を組み込んで、ポエムに改造したいと思います。

 

下準備:やわらかい文に改変&文体選択

 

まず最初に、この文をやわらかい口語文に改変します。「記憶している」は少し硬い感じがしたので「おぼえている」に変更しました。

ついでにこの時点で、文体のフレーバーも決めてしまいましょう。今回は「ひらがな多め」+「句点は全て読点に」を選択したいと思います。

 

するとこうなります。

 

“僕は猫だ。名前はまだない。

  どこでうまれたかぜんぜん見当がつかない。

なんでもうすぐらいいじめじめしたところでニャーニャーないていたことだけはおぼえている。”

 

少し、ポエムの下地が出来た感じがしませんか?

 

第一段階:主語の移動

まずは主語の移動です。この文の場合、最初に“僕は猫だ”の「僕」という主語が来ているので、これを消すか、後ろに回すかしなければなりません。今回はとりあえず少し文章を変えて「僕」を出来るだけ後ろに回します。

 

“どこでうまれたかぜんぜん見当がつかない。

なんでもうすぐらいいじめじめしたところでニャーニャーないていたことだけはおぼえている。

名前がまだない猫。それは僕。”

 

少し不自然ですが、このまま進めましょう。

第二段階:A but Bの構造に改編

続いて、文章の中に「~だけど~」といったような対立構造を組み込みます。この文章の場合は、割と簡単に入ります。つまり、

 

“どこでうまれたかぜんぜん見当がつかないけど。

うすぐらいいじめじめしたところでニャーニャーないていたことだけはおぼえている。

名前がまだない猫。それは僕。”

 

と、なります。「なんでも」は対立構造をすこし曖昧にしているように思ったので、思い切って消しました。

 

少しずつ、ポエムらしさが増してきた気がします。

 

第三段階:「僕」と「あなた」の関係性の挿入

次の改編は比較的内容に踏み込んだものになります。この文章には「僕」が恋い焦がれる「あなた」の存在はありません。これはポエムとして、かなり不利な条件です。無いならば無理やり作りましょう。というわけで、

 

“どこでうまれたかぜんぜん見当がつかないけど。

うすぐらいいじめじめしたところでニャーニャーないていたことだけはおぼえている。

君に見つけてもらいたくて。

名前がまだない猫。それは僕。”

 

無理やり「君」の存在をねじ込んでみました。

第四段階:反復構造の挿入

最後のこれは、正直付け足しというか、あくまでオプションのような気がします。恐らく、反復構造以外にも僕の見つけていないオプションは他にもあって、それらとの置換や併用もきっと可能だと思います。ですが、今回はとりあえずこの段階を最終段階として設定します。

 

“どこでうまれたかぜんぜん見当がつかないけど。

うすぐらいいじめじめしたところでニャーニャーないていたことだけはおぼえている。

君に見つけてもらいたくて。

それが名前のまだない猫。それが名前のまだない僕。

こんな風になりました。

終わりに

いかがだったでしょうか。

最初の

‟吾輩は猫である。名前はまだ無い。

  どこで生れたかとんと見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。”

 

と比べると、

 

“どこでうまれたかぜんぜん見当がつかないけど。

うすぐらいいじめじめしたところでニャーニャーないていたことだけはおぼえている。

君に見つけてもらいたくて。

それが名前のまだない猫。それが名前のまだない僕。

 

どうでしょうか。ポエムっぽくなったと思いませんか。

これで僕もポエムツイッタラーになれるでしょうか。みなさんもこれを使ってどんどんポエムを書いてくれていいんですよ。

みんなでなろうポエムツイッタラー。

では、ひとまずこれにて、第一回研究報告を終わらせていただきます。第二回は、また新しい法則を見つけ次第、発表いたします。

 

それでは、また。

 

 

二十億光年の孤独 (集英社文庫 た 18-9)

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