飄々舎

京都で活動する創作集団・飄々舎のブログです。記事や作品を発表し、オススメの本、テレビ、舞台なども紹介していきます。メンバーはあかごひねひね、鯖ゼリー、玉木青、ひつじのあゆみ。

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帰ってきた読書放談(第一回:最近読んで面白かった本)

かみしの(以下:か)というわけでね、夏ですよもう

 

あかひね(以下:あ) まだ夏ではないでしょ(笑)

 

か 夏だよ(笑)とりあえずテーマを何か決めよう

 

あ 最近の日本文学界はどこへ行くのか……

 

か そんな大々的なテーマを(笑) そうだなあ最近読んで面白かった本とかでいいんじゃない?三冊くらいずつ

 

あ お、じゃあいってきますか

 

か じゃあまずぼくからいくね。なにかなあ、最近印象が強かったのはトマス・ピンチョンの『LAヴァイス』ってやつかな

 

LAヴァイス (Thomas Pynchon Complete Collection)

LAヴァイス (Thomas Pynchon Complete Collection)

 

 

あ 聞いたことしかないですね

 

か ピンチョンっていうわかりにくい作家がいるんだけど

 

あ 名前はすごく印象に残りますけどね、ピンチョン

 

か 顔写真もすごくピンチョンっぽいよ

 

あ 名前負けしてないんだ(笑)ピンチョン面?(笑)

 

か インスマウス面、ピンチョン面(笑)

 

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ピンチョン面

 

あ 怖っ!生まれたときは普通だけどだんだんピンチョン面になっていく……

 

か という覆面作家がいて、顔が出てる普通に(笑) 顔に反するくらいわかりにくくて『重力の虹』っていうのが文学の大作っていわれてるんだけど、『LAヴァイス』は中でもよみやすいっていわれてる。ミステリー仕立てで、主人公のドッグっていうのが常に麻薬を吸ってるヒッピー探偵で、そんなドッグのところに昔の彼女が「助けて」っていって仕事をもちこんでくるんだ。その事件のために核心的な場所にいったら殴られて、気づいたら横に死体があって、探偵自身が犯人に仕立て上げられてしまうという。

 

トマス・ピンチョン全小説 重力の虹[上] (Thomas Pynchon Complete Collection)

トマス・ピンチョン全小説 重力の虹[上] (Thomas Pynchon Complete Collection)

 

 

あ しっかりミステリーですね

 

か うん、ただやっぱり純文学作家が書いたミステリーって感じで、対しているのはアメリカという国というか歴史というか……

 

あ ああ、意味があるんだ

 

か っていうところで、これで読みやすいんだったら『重力の虹』なんて読めねえよっていう読みづらさではあった(笑)70年代のポップカルチャーがんがん入れてて全く知らないネタでドッグが盛り上がってて知らねえよっていう(笑)映画化されてて『インヒアレント・ヴァイス』っていう、これは筋がわかりやすくてよかった

 

 

あ なるほど、ピンチョン。あ、『ノックス・マシン』読みましたよ

 

ノックス・マシン (角川文庫)

ノックス・マシン (角川文庫)

 

 

か お、読んだ?

 

あ 全然ミステリーだとは思わなかった。

 

か SFだよね

 

あ ミステリーじゃないですよね?このミスじゃないですよね?ミステリーをテーマにしたSF

 

か no china manね

 

あ あれは何なんですか。タイムトラベルものなんですけど、わりと陳腐なネタじゃないですか。面白かったけど、やっぱりなんというかミステリー読ましてくれって感じがしましたね

 

か 「ノックス・マシン2」の方が面白かった。なんか、設定がすごい面白かったんだよね。ひとつだけ「読者への挑戦状」がない。これは空間の揺らぎだ!って。ああいうとんでも理論系の小説は好き

 

あ 途中に入ってた「引き立て役倶楽部の陰謀」、あれがよくわかんなかったんですよね

 

か ミステリーマニアしかわからないんじゃ

 

あ 設定はわかるんですけど、どうも最後がはっきりしない……

 

か ヴァン・ダインとクリスティは実際にいがみあってたし、そのあたりを面白おかしく書きたかったんじゃないかなあ。失踪事件とかもあったし

 

あ 失踪事件、『シャーロッキアン』っていう漫画があって、その中でホームズに会いに行ってたっていう真相が書かれてるんですよ。ホームズの話の中にクリスティらしき人物が出てくる、それでちょうどクリスティが失踪した場所とホームズが隠遁してる場所があってて、クリスティはホームズに元気をもらって帰ってきたんじゃないかみたいな

 

 

か それは面白そうだね

 

あ 『シャーロキアン』は面白いんですけど「引き立て役倶楽部の陰謀」はミステリーの体で書かれてるでしょ。それだったら、もうひとひねりほしかったなと。でもあれは面白かったです、「バベルの牢獄」。泡坂妻夫感。

 

か 『しあわせの書』感ね(笑)そういう仕掛け方をするかっていう

 

しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)

しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)

 

 

あ ツマオニズムが(笑)

 

か やっぱりあれはコアなミステリーファンに受ける作品っぽいよね

 

あ 哲学と哲学研究って違うじゃないですか。あれもミステリーじゃなくてミステリー研究ですよね。ミステリーをテーマにしている作品

 

か マニアの方がより楽しめる作品になってる。

 

あ 最近読んで語るべき本ってのが『ノックス・マシン』くらいしかない……、あと大塚英志くらい

 

か ミステリーつながりで麻耶雄嵩の『翼ある闇』ってのも最近読んで面白くて、いわゆるメフィスト系列の元祖で、清涼院流水が麻耶を好きで研究してたりしてたんだけど。その麻耶のデビュー作。すごかった

 

翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫)

翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫)

 

 

あ へえ

 

か 話すことがすべてネタバレになってしまうタイプなんだけど……、月並みな言葉でいうなら二転三転四転五転……。あと、ぼくの一番好きな探偵メルカトル鮎ってのがいて、これが解決するためだけにいる探偵で、論理的に正しくて問題が解決されてればそれでいい、みたいな、ミステリーを逆手に取ったメルカトルシリーズってのがあるんだけど、そのメルカトルが出てくるんだよね。そういうめちゃくちゃ系の元祖

 

メルカトルかく語りき (講談社文庫)

メルカトルかく語りき (講談社文庫)

 

 

あ めちゃくちゃといえば、『おそ松さん』が人気ですけど、『おそ松君』の原作を読んだことがあるか、ということですよね若い子たちが

 

か んー、ないんじゃないかなあ。でもちくま文庫かなにかで『おそ松セレクション』みたいなのがでてるよね

 

おそ松くん ベスト・セレクション (ちくま文庫 あ 34-3)

おそ松くん ベスト・セレクション (ちくま文庫 あ 34-3)

 

 

あ おそ松君のキャラクターが南の島で駐留してる日本兵に置き換えられてて、どんどんアメリカの侵攻が激しくなる中で物資が不足して飢えて死んでいくっていう話があるんですよ。最期にアメリカの爆弾が落ちてきて全員死ぬんですよ。その毒がない(笑)

 

か そういう毒はないね、『おそ松さん』には(笑)

 

あ 『おそ松くん』は本来そういう作品なんですよ。ウィキを見てもイヤミが死んで終わる話が多いらしい(笑)あと、かき分けてるでしょ兄弟を。どうなんだと。原作は顔コピーして貼ってたんですよ

 

か まあ、なんていうか声優アニメみたいなところはあるから……『黒子のバスケ』もそうだけどこいつのカラーはこれ、みたいな、アイドルもそうだけど。ある種のアイドルなんだろうね、『おそ松さん』たちは

 

あ 偶像ですね……まあ、そんな感じですね。他になにか面白かった本あるかなあ。ジュブナイルポルノを読もう月間に入ってから読んだやつ、『魔剣の姫はエロエロです』『ランプの魔人が美女だった~』『魔王と子づくり』とか(笑)

 

魔剣の姫はエロエロです

魔剣の姫はエロエロです

 

 

 

魔王と子づくり

魔王と子づくり

 

 

か なんか最近ダンジョンもの、というかファンタジーを日常生活に落とすみたいなの流行ってるじゃん。『亜人ちゃん~』とか『ダンジョン飯』みたいな

 

 

 

あ 『ダンジョンに出会いを求めるのは』云々とかも、『魔王様ちょっとそれとって』ってのもありますね

 

 

魔王様ちょっとそれとって!! 1 (ヤングジャンプコミックス)

魔王様ちょっとそれとって!! 1 (ヤングジャンプコミックス)

 

 

か なんなのかな、RPGの世界観を日常で描くのが流行ってるのかな

 

あ まあよくあるっちゃあある、でも確かにゲーム的な世界観が浸透したから、さらにそれをもじるってのができるんですかね

 

か そうだね。『アクセルワールド』とか『SAO』みたいなのは、むしろヴァーチャル世界に入っていくタイプだったけど、逆だよね。

 

 

 

あ カクヨムの投稿作とかを見てると一行目で「これはいわゆる剣と魔法の世界の物語である」みたいなことをいうわけですよ。だからそういう共通認識がもうあるんですよ、ああ、あんな感じねみたいな

 

か 九井諒子はそういう感じだよね。RPGでカットされた日常の部分を書くというか

 

ひきだしにテラリウム

ひきだしにテラリウム

 

 

あ あとね、ジュブナイルポルノで面白いと思ったのが、いわゆる主人公の一人称が変わるのはエロゲの文脈だって東浩紀だったかが言ってて、それは確かにそうで、エロゲをやってると唐突に攻略対象の女の子視点のシーンとかがでてくるんですよ。逆に男の方が客観的に書かれてて。同じようにジュブナイルポルノでも男目線のあとに女目線があって、主人公の目線が登場人物ごとに変わっていくんですよ

 

か へえ、『化物語』シリーズみたいな

 

化物語(上) <物語> (講談社BOX)

化物語(上) <物語> (講談社BOX)

 

 

あ 結局ジュブナイルポルノはエロゲを本にしたものなんで、やっぱり。

 

か エロゲってすごいよね、って思うわ。やったことないんだけど、いろんな話を聞いて『Ever17』とか『ととの。』とか、メタ的で

 

Ever17 (通常版)

Ever17 (通常版)

 

 

 

あ 一時期そういう時期があったんですよね。奈須きのことか虚淵玄とかがばりばり現役でやってた頃ですね。田中ロミオもそうか。『人類は衰退しました』いいですよ

 

人類は衰退しました 1 (ガガガ文庫)

人類は衰退しました 1 (ガガガ文庫)

 

 

か 『AURA』は見たんだけど、好きそうだな、って思いながらまだ手を出してないガガガ文庫

 

AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫)

AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫)

 

 

あ ガガガ文庫はしょうもないラノベが多いというイメージが(笑)

 

か あまりラノベを読んでこなかったからねえ

 

あ 僕も要所要所で読もっと思って読んでましたね。だから読むときはだいたいシリーズ全部買って読む、という

 

か 僕はもうネットで30選とかやってる、あんなん見て読んでた

 

あ 僕もそうですよ。『ハルヒ』読んで『バカテス』読んで……

 

 

 

か 『とらドラ』とか

 

とらドラ! 文庫 全10巻 完結セット (電撃文庫)

とらドラ! 文庫 全10巻 完結セット (電撃文庫)

 

 

あ 『狼と香辛料』も面白かったし、やっぱ『キノの旅』ですね。あと『文学少女』、『デュラララ』も読んでたな。甘々のぬるいのが好きで。僕、ラノベに求めるのはぬるさなので(笑)

 

 

 

 

 

か ぬるさ、ゆるさ(笑)

 

あ 終わらない日常で女の子たちがわちゃわちゃ動いてる、かわいいってだけのやつがラノベに関しては一番好きです。

 

か やっぱそんな君には『ゴドーを待ちながら』をおすすめするよ(笑)

 

ゴドーを待ちながら (白水Uブックス)

ゴドーを待ちながら (白水Uブックス)

 

 

あ (笑)

 

か あれ日常アニメだから。じゃあ、そんなわけで二冊目はジュブナイルポルノ全般ということで(笑)一応一冊選ぶとしたら?

 

あ どれかな。なんとなくフランス書院が一枚上手な感じはするんですよね。ちゃんとつぼをついてくる感じ。他のとこだとエロ分が少ない感じ。なのでやっぱりフランス書院の……『魔王と子づくり』にしときましょうか(笑)

 

か それは、そのまんま?(笑)

 

あ そのまんまです、タイトルそのまんま(笑)

 

か なんというか……ジャパンすごいね。

 

あ 視点が変わるというのも、男の想っている相手の感情がブラックボックスに入れられることがないってことなんですよね。必ず明示されてしまう。それって、男の犯されたい欲望に対応しているのかもしれない

 

か 奥深いなあ、フロイトの世界だ

 

あ ラノベはAVだ、ってのが僕の持論としてあって、つまり俺TUEE系とか剣と魔法系とかフォーマットにいかに落とし込んでいくかっていう

 

か データベースをどう使っていくかという

 

あ あれは僕に言わせるとAVにおける体位なんですよ。だいたいAVの流れって正常位をやってバックをやって騎乗位をやって、っていうパターンがあって、それをワンパターンとはあまりいわないんですよ。その流れを守ったうえでどう差別化をしていくか、言葉であったり、コスプレであったり。もう一つが欲望を効率的に刺激するシステムがあって、小さい差異を出していく。これがラノベ=AV説の理由というか。だからラノベはワンパターンだというのがもともとお門違いな話で、そういうもんだと。ジュブナイルポルノはそれをエロまで突き付けていったものだという感じ

 

か ラノベのAV回帰だと(笑)

 

あ じゃあそろそろ三作目を

 

か エロ関係でいったら羽田圭介の『メタモルフォセス』とか……

 

メタモルフォシス

メタモルフォシス

 

 

あ 別にエロ関係じゃなくていいですよ(笑)

 

か 最近ってほどじゃないけど全共闘時代直後の作品を読んでて、庄司薫とか。しらけてる世代。その『赤頭巾ちゃん気をつけて』ってのがあるんだけど

 

赤頭巾ちゃん気をつけて (新潮文庫)

赤頭巾ちゃん気をつけて (新潮文庫)

 

 

あ なんか聞いたことあるな

 

か いわゆる「ぼく」文学を村上春樹よりも先にやっていた文学って言われてる。その人の書いた『白鳥の歌なんか聞えない』っていうのがあって、それがべたなラブコメみたいな感じでよかった

 

 

あ へえ

 

か 主人公の薫君の幼馴染で由美って女の子がいるんだけど、『赤頭巾ちゃん』ではそこまでかかわってこなくて、でも続編になると急にぐいぐいくるようになって。なんでそうなったかってのは物語にかかわってくるところなんだけど。犬のぬいぐるみを主人公にわたして、その耳のところに「あなたのことが好きです」みたいな、きゅんとする。

 

あ そんな感じでずっと続いていくんですか?

 

か うん、でもそんな中で、生と死とはみたいな、メメント・モリといいながらその死をどう克服していくかみたいな、克服しなくてもいいのではないかみたいな、『風の谷のナウシカ』みたいに清濁飲み込むべきではないかといったテーマが書かれつつ

 

 

あ きゅんきゅんラブコメでもあると

 

か 由美がかわいい。子供のころに丸いチョコレートを渡して、薫君はそれを食べちゃうんだけど、由美は「地球をあげたつもりだったのに」って泣いちゃったりとか。純文学って堅そう、調子乗ったおじちゃんたちが調子乗ったことを言ってる、みたいなイメージがあるけど、そうじゃない純文学もいっぱいあるよって。

 

あ 僕、純文学のイメージって、いわゆる内容がないって思っちゃうんですよ。つまり、エンタメ系の事件と事件の間に挟まってるつなぎみたいな部分しかないイメージがあるんですよ。何ページ読んでもこのままなんだろうね、みたいな。

 

か リーダビリティはないかもしれないね。むしろ純文学を読んでる人にとってはエンタメのが中身ないなあって思う時もある。さっきのAV説じゃないけど、エンタメ作品ってある程度パターンがあって、そこに意識的になりすぎるとパターンじゃんってなっちゃう。純文学は行間がすごく空いてるから、そこをこっちから読みこんでく感じがある

 

あ それがね、たるいんですよね

 

か そこが僕は面白いんだよね。でも受身的に面白い純文学もたくさんあると思うよ

 

あ 純文学の行間を読むということが、僕は読まされてると思っちゃう。作者に。エンタメは作者がわかるように書いてくれてる。そう考えると、なんというか純文学の書き手の方が偉そう。書き手が偉そうで、読み手も偉そうだと思ってるけど、結局書き手の掌の上で踊ってるんじゃないか、みたいな。バイキングと料亭とでどっちの客がよりよくもてなされているか。

 

か 僕はバイキングが好きなんだよね。カスタマイズするのが好きなのよ。文学の、自分で勝手に行間を読めるところが面白いとこだと思うんだよなあ。

 

あ 純文学はそこに神の代弁者みたいなのがいるわけですよ。答えがあっちゃうわけじゃないですか。

 

か あるとは思わないけどな。個人的には。作者があんまり関係なくて、作品だけ見てる感じがある。他の作品と比べてこんなとこが違ってる、一致してるみたいな。

 

あ メタ的に読むもんなんですか

 

か メタ的に読んでるかな、読者が誕生して作者は死んでるみたいな。ポストモダン的な。ネットもそうだし、読む人がそのまま作る人になっていくようなイメージ。作者ってのはあまり重視されないっていう……まあ、これも一昔前の話のような気がするけど。はてな匿名ダイアリーみたいな。

 

あ なるほどなあ。とりあえず僕も三冊目を何か出そうかな。『ラーメンと愛国』の話ってしてませんでしたっけ。

 

ラーメンと愛国 (講談社現代新書)

ラーメンと愛国 (講談社現代新書)

 

 

か してないね

 

あ 面白くて、読んだきっかけが松岡正剛が千夜千冊っていう書評ブログで紹介してて……それを知ったのが『バーナード嬢曰く』なんですけど(笑)

 

バーナード嬢曰く。 (REXコミックス)

バーナード嬢曰く。 (REXコミックス)

 

 

か 『バーナード嬢曰く』で松岡正剛を知って、そこから『ラーメンと愛国』を知ったと(笑)

 

あ ラーメン屋の変遷をみていく。今現在はやってる店主が黒のTシャツとか着て、壁に筆で相田みつおみたいな詩を書いてて、作務衣みたいな服を着てるラーメン屋をひとくくりに「作務衣系」っていった所が面白い。そういうラーメン屋は「ラーメンポエム」を飾ってると(笑)

 

か 完全に馬鹿にしてるね(笑)

 

あ 最初にラーメンがでてきたのが戦後の時期なんですけども、当時は支那そばとかいろんな読み方があった中で「チキンラーメン」の登場で統一されたと。そんときに札幌の方のラーメンはシベリアの方から来てるんですよ、九州の方は中国から来ていて、出自が違うんですけども

 

か ナウマンゾウとヘラジカみたいな

 

あ そうそう、それが「チキンラーメン」の登場でひとつに統一されたんですよ。スープも違って出自も違うから、本来なら違うものとして認識されてもいいはずなんです。その裏付けになっているのが沖縄は「そば」扱いなんですよね。これはCMで広がった「ラーメン」表記が、当時アメリカに占領されてた沖縄では広がらなかったんですね

 

か なるほどねえ。

 

あ そのあと、脱サラしてラーメン屋になるという流れがあって、これは大手のフランチャイズを経営するってことなんですよ。服装もコックスーツが基本だったと。地域の差異の破壊で、画一化だった。それのアンチとして出てきたのが「作務衣系」。一店舗に一つの味。ゆるいナショナリズム

 

か たしかにラーメンって全然違うもんね

 

あ カップヌードルとかラーメンの味じゃないし、チキンラーメンもラーメンとして異質でしょ

 

か ちょっとだけ話それるけど『リロ・グラ・シスタ』って小説の中でチキンラーメンをそのままかじる男ってのが出てきて、実際やってみたらしょっぱいけどおいしかった

 

リロ・グラ・シスタ: the little glass sister (光文社文庫)

リロ・グラ・シスタ: the little glass sister (光文社文庫)

 

 

あ ベビースターラーメンみたいなものですね

 

か ラーメンと社会の関係を考えるのは面白いね。「一蘭」の話だけど、大阪の「一蘭」って人すごい並んでて、でもリピーターって少ないんじゃないかって思うんだよね。個室というのが、カウンター越しに「へい」って出されるんじゃないというのが「新しい」という段階で止まったまんまなんじゃないかなと。最終的には「次郎系」のスタイルがヘビーユーザーを生み出してる気がする

 

あ ラーメンって「作務衣系」以降、妙なストイックさをうりに出すようになってきて。真剣にスープ作るから真剣に味わえみたいな。

 

か 一対一のバトルみたいな。2chのネタで「高菜食べてしまったんですか」ってのがあったけど、あれの出始めた時期とか調べたら面白いかも

 

あ ラーメンの文化ってのが、いわゆる下層文化な気がするんですよね

 

か そうね、ジャンクな感じがね

 

あ その中でラーメンを食うことによって自己表現していく人種が現れてきたような気がしてて

 

か 食べログ系ね

 

あ 「次郎系」のリピーターもそうですよね。ロッドを守って、よき客として、よきジロリアンとしての自分を確立する。店側もそれを黙認して、客にヒエラルキーを作るのを許してる。明確な階段ができるわけですよ、それを登るためにくる、みたいな。ネトゲもそうじゃないですか。暇だし、金もないしって人がネトゲやってればそこでは神になれる。それでやたらとローカル・ルールを作りたがる。自分たちの中だけのジャーゴンを作る

 

か またコピペの話だけど吉野家の牛丼のやつもそうだよね。あれも下層文化だからそこでしか自己実現できない人のおかしみがある。……いつの間にかラーメンの話になったね。ラーメン食べたくなってきたね。

 

あ お、あとで行きますか

 

か ひとついっとくと大阪のラーメンはまずい(笑)

 

あ 京都に住んでたらね……レベル高いですからね

 

か まあ、そんな感じで前半戦終了ということで

 

→次回、お互いのかばんに入っている本を大公開!

hyohyosya.hatenablog.com

 

よまいでかでとりあげてほしい本も募集中!

かみしのが頑張って書きます。

 

hyohyosya.hatenablog.com

 

前回の読書放談はこちら。

 

 

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