飄々舎

京都で活動する創作集団・飄々舎のブログです。記事や作品を発表し、オススメの本、テレビ、舞台なども紹介していきます。メンバーはあかごひねひね、鯖ゼリー、玉木青、ひつじのあゆみ。

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ルーツ放談②【読書放談neo】

※ルーツ放談①はこち

hyohyosya.hatenablog.com

 

【参加者】 

あかごひねひね(以下「あ」)

かみしの(以下「か」)

 

あかごひねひねのターン

か:ここからは、昔読んだ本をランダムにお互いに指定していかない?読書メーター○ページ目、みたいな感じで
あ:いいですね。じゃあ、僕の読書メーターは……。27ページまでありますよ
か:じゃあね、14とかどう?
あ:14……あはははは(笑)
か:どうしたの?
あ:これね、1ページごとに10冊ずつ読んだ本が載ってるんだけど、10冊中5冊が『ローマ人の物語』です(笑)
か:じゃあ、ローマ人じゃない一番上のやつを(笑)
あ:ローマ人じゃない一番上がね『不思議なキリスト教』なんだよ
か:それもさっきと同じじゃん。じゃあその下
あ:その下は『そこまで言うか!』っていう、勝間和代ホリエモン堀江貴文)と2ちゃんのひろゆき(西村博幸)の鼎談ですね
か:じゃあその話を

そこまで言うか!

そこまで言うか!

 

あ:えー、これ、なんで読んだんだろう。僕、ある時期、ネット時代の言論人みたいな人の本をいくつか読んでたことがあって。岡田斗司夫とかホリエモンとかひろゆきとか。ちょっと胡散臭い系の。その流れの上で多分これも読んでるんだよね
か:なるほど
あ:あと、勝間和代勝間和代で、大学の本屋とかで新書を何回か見かけてたんだよね
か:だいたい顔出して変なポーズしてね

断る力 (文春新書)

断る力 (文春新書)

 

 あ:そうそう(笑)。それでなんか頭に残ってたんです。で、この本は確かブックオフで見つけたんだ。ブックオフの何かクズみたいな値段で売られてる売場あるじゃない?
か:あるある(笑)
あ:そのクズみたいなとこに入ってて。「え!この三人対談なんかしてんの!?」ってなって。それで買いました。そもそもホリエモンひろゆきの対談みたいなものは、ホリエモンが逮捕される直前のニコ生とかで見たことはあって。もうちょっとルーツを話すと、ホリエモンに興味持つきっかけは岡田斗司夫ホリエモンの対談でね。で、岡田斗司夫に行くきっかけは、さっき話した太田克史渡辺浩弐のニコ生でね(ルーツ放談①参照)
か:ふんふん
あ:本の話に戻ると、表紙の感じからどうもめちゃくちゃ勝間さんがイジられる感じの内容らしいことが分かったのね
か:なるほど
あ:「実は勝間さんはイジられキャラじゃないっすか?」とか言われて。何か勝間和代イジられてんの面白そうだなと思って買ったんだと思う
か:勝間和代ね。なんかユーチューブでもひろゆきに論破される動画をみた気がする
あ:あれじゃないですか「デキビジ」って番組の。なんかデキるビジネスマンの番組。ひろゆきはずっと半笑いで勝間和代をバカにしてる感じでしゃべってるやつ
か:何だったかな「ネットは匿名にすべきか?」みたなテーマでね
あ:そうそう
か:だんだん勝間和代のボルテージが高まってくるんだよね
あ:最後は「どうせ私たちは分かり合えないですけども」みたいな雰囲気で終わっていくんだよね
か:そのシーン見たわ


ひりゆきvs勝間 勝間「ひろゆきはやりにくい」

 

 

かみしののターン

か:では次。僕は104ページまであるので

あ:じゃあ、26
か:26の一番上でいい?……村上春樹の『アフターダーク』だね
あ:知らないなあ

アフターダーク (講談社文庫)

アフターダーク (講談社文庫)

 

 か:これを語るにあたっては、どこで村上春樹を知ったのかを語らないといけないと思うんだけど
あ:でも村上春樹っていつの間にか知ってるからなあ
か:そうなんだよ。そもそも村上春樹の本が家に置いてあったんだよね
あ:あー、ハイソなおうちですね
か:いやハイソなわけじゃなくて、うちは田舎だから流行をとりあえず追いかけるのね
あ:ああー
か:だから『ノルウェイの森』だけあったんだよ
あ:本屋で平積みにされてたのを買ってきたみたいな
か:きっとそんな感じ。だから『ノルウェイの森』=村上春樹ってのはずっと知ってたの

ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット (講談社文庫)

ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット (講談社文庫)

 

あ:なるほど
か:でも、「ノルウェイの森」を実際に読んだのは多分去年とかなんだよ
あ:あ、家にあって名前は知ってたけど読んではいなかった
か:読んではいなかった
あ:じゃあ、こっち(『アフターダーク』)の方が早いんだ
か:そう。こっちのが早い。ただ、村上春樹に関しては多分大勢の人がそう思ってると思うんだけど、何かあったんだよ。「村上春樹ってどうなの?」みたいなさ
あ:ファンが全員気持ち悪い、みたいなイメージね(笑)
か:だから大学入った後、多分最初に村上春樹の作品読んだのは『蛍』っていう作品なんだけど、その時はまだ村上春樹ダメバイアスがあったから、読んで「なんだこれは?」って思った記憶があるんだよ

螢・納屋を焼く・その他の短編 (新潮文庫)

螢・納屋を焼く・その他の短編 (新潮文庫)

 

あ:「なんだこりゃ」の主成分は何なんですか
か:多分セックスと酒の気取ってる感
あ:あー
か:はいはい、何かスモークサーモンサンドイッチとか食べてるんでしょ、みたいな
あ:(笑)
か:「やれやれ」みたいなね
あ:要するに「ムカつく」ってことですよね(笑)
か:そう(笑)。激しい性描写とかね。実際読んでないのに刷り込みとしてあったんだよね。じゃあ、どこでその村上春樹アレルギーが消えたかっていったら、これも大学の授業で。村上春樹の「1Q84」の授業があったの

 

1Q84 BOOK 1

1Q84 BOOK 1

 

 あ:出たのけっこう最近だよね
か:そうそう。出てすぐあったんだと思う。その先生は映画の授業の先生で、映画と村上春樹を比較するみたいな
あ:ほう
か:そこで、村上春樹の『風の歌を聴け』みたいな作品は実はアメリカ映画をすごい取り入れてるんだとか、ヌーベルバーグを取り入れているんだとか
あ:ジャズとかアメリカ文化の人だよね村上春樹って
か:そうそう。で『1Q84』も『レオン』って映画の影響があったりするみたいな話をいろいろして。「村上春樹ってちゃんとしてるんだ」ってその時はじめて思った(笑)
あ:ただのファッション作家じゃなかったっていう(笑)
か:そうそう(笑)。そこで初めて長編の『1Q84』を読んで。これがめちゃくちゃ面白かったんだよね。これが村上春樹を好きになる人の心境なのかって気持ちになって、そっから他の長編も読んでいって、どっぷりハマっていった。っていう流れ
あ:けっこうかみしのさんは授業とか、大学の学びの中で得てるものは大きいよね
か:そうだね。サークルとか授業とか
あ:いいなあ。僕あんまり周りに読書メンバーみたいな仲間がいたことがないからなぁ。大学の授業とか面白いと思ったこと一回もなかったし。
か:そういう意味では国文学科っていうのは良い環境だったかもしれない

風の歌を聴け (講談社文庫)

風の歌を聴け (講談社文庫)

 
レオン 完全版 (字幕版)
 

 

 

あかごひねひねのターン

あ:じゃあ数をどうぞ
か:けっこう昔いってみようか。「21」
あ:21は……あー、何か変だなこれ。変な時期だなこれ。ちなみに10冊中2冊は『ローマ人の物語』だね
か:いつでも読んでんだ(笑)
あ:でも『ローマ人の物語7 勝者の混迷』だから、かなり初期だよ!今、32まで行ってるから(笑)
か:だいぶ進んだ(笑)
あ:この時期の僕は多分、院の論文を、そろそろ本気で書き始めようと思いつつ、参考文献をめっちゃ読みながら、意外と本も読めていた時期かな
か:文字に慣れていた時期
あ:そうそう
か:ではタイトルを
あ:えーっと、これすごいな小林信彦の『素晴らしい日本野球』

素晴らしい日本野球 (新潮文庫)

素晴らしい日本野球 (新潮文庫)

 

あ:小林信彦って、僕もこれしか読んだことないんだけど、いわゆる日本のコメディ・パロディ作家なんだよね。有名なのは「オヨヨ大統領シリーズ」で、確か『有栖の乱読』にもこのシリーズは紹介されてて、パロディが秀逸だ、みたいな書かれ方をしていた。怪人20面相がアドバルーンで逃げるシーンで「やっぱり!また例の手だ!」っていうセリフがあるんだって(笑)。で、この本はなんで読んだかすっごく覚えてて、後輩が図書館で古くなった本をもらって来たんだよ。この本はジェームズ・P・フラナガンって名前で書いてるんだけど、要するに小林信彦が外国人の偽名を使って、日本の野球はこういうものだっていうトンチンカンでデタラメな野球論をずっと書いてるの
か:なるほど
あ:その時まで小林信彦なんて名前も知らなかったんだけど、その後輩が「ヤバいっすよ」と。「これめちゃくちゃ面白いですよ」って教えてくれて、それで読んだの
か:ふむふむ
あ:けっこうコメディ小説史というか、小説で笑いをとる人ってみんな覚えてないというか、表に出てこないじゃない。文学史とか、エンタメ小説史の中にも面白小説の人ってなかなか名前が出てこないからさ
か:そうだね
あ:それで、小林信彦も知らなかったんだけど、後輩に勧められて読んだ。ただ、小林信彦ってけっこう昔の人で、筒井康隆より上の世代なんだよね。だからちょっとずれてるというか
か:感覚が?
あ:感覚っていうか時代の空気かな。時事とか風刺が今の世代からはちょっとズレてる。当時読んだらもっと面白いんだろうなって感じ。そのあと小林信彦って名前を意識するようになって、そうするとブックオフにも置いてあるし、『有栖の乱読』にも出てくるし、筒井康隆もブログかエッセイで言及してたんだよね
か:今の話聞くと筒井康隆と似てる部分があるね
あ:笑いを目的にして本書く人って意外と少ないからね
か:なるほど
あ:だから、この本を読んだきっかけは完全に偶然という(笑)
か:でも、それもなんか運命的なものあるね。たまたま手にとったのに筒井康隆とつながってたりするの面白いし
あ:そう。あ、そこつながるんだ~って。

 

かみしののターン

か:この企画面白いね
あ:じゃあ次は「18」いこう。
か:18はですね……これはめっちゃ最近だね。マルグリッド・ドュラスの『太平洋の防波堤』という小説を読んでまして、これは読書会のテーマ本だね。池沢夏樹の世界文学全集の読書会ってのを月に1冊ずつやる読書会があって、その中にこの本が入ってたっていうのが理由だね
あ:なるほど。その読書会と主催者は僕も知ってるけど、これ以上はアレだね。あまりにも個人情報になるから話せないね(笑)
か:そうそう

太平洋の防波堤 (河出文庫)

太平洋の防波堤 (河出文庫)

 

あ:この読書会では『巨匠とマルガリータ』も読んだね。僕の友達にイトウモ君ってのがいて、彼が前に『巨匠とマルガリータ』とウラジーミル・ソローキンって作家を同時に勧めてくれたんだよ。「絶対あなた好きだから」って
か:うん
あ:『巨匠とマルガリータ』は、その後、この読書会で読むまで読まなかったんだけど、ソローキンはすぐに借りて読んだんだよね。そしたら意味が分からない(笑)
か:その経験、分かるよ(笑)「愛」とかね
あ:"この肉棒の~"っていう(笑)
か:そうそう。いかにも美しい風景小説を書いてるようで……
あ:最後に突然ちんぽの描写が入ってきて終わるっていう(笑)
か:すごい作家だよ(笑)
あ:あの短編読んだとき爆笑したんじゃないかな
か:俺も多分爆笑した

愛 (文学の冒険シリーズ)

愛 (文学の冒険シリーズ)

 

 

 

もう一回かみしののターン 

あ:かみしのターン、もう一冊くらい行っとこうか

か:じゃあ、その一つ下でもいっとく?
あ:そうしよう
か:最果タヒだね
あ:よく聞くよねその名前、あなたから。そんなことない?
か:言ってるかもしれない。『かわいいだけじゃない私たちの、かわいいだけの平凡』っていう

かわいいだけじゃない私たちの、かわいいだけの平凡。

かわいいだけじゃない私たちの、かわいいだけの平凡。

 

あ:なんか最果タヒってさ、心を病んでる人イメージがあるんだけど、そんなことない?
か:間違ってないと思う
あ:僕が最近やっと読んだ滝本竜彦の『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』的な方向の、自意識青春系な感じがするんだけど

 か:それはけっこういい線行ってる。この前Twitterの昔の下書きを見てたんだよ。そしたら「峯田和伸大森靖子が表裏の関係なのと同じように滝本竜彦最果タヒも表裏だ」って書いてあったんだよ
あ:へえー
か:多分そういうことで。なんで最果タヒを知ったかというと、これは多分ね、『死んでしまう系の僕らに』っていう詩集を出したのね。2~3年前に。それがTwitterで話題になってたのよ。それでそういう詩人がいるらしいぞっていう
あ:死んでしまう系って言葉がそれっぽいよね
か:そうそう、それで世間からもそういう風に思われてると思うんだけど。で、それを読んだってTwitterに書いたら最果タヒ本人からリプライが飛んできて
あ:なにそれ!いいなー
か:当時はまだ新進気鋭だったから
あ:あー、けっこう見てたんだ
か:そうそう。エゴサとかしてたんだと思う。で、へー最果タヒって人がいるんだーって思って。で、まあ大森靖子とかも元々好きだったし。大森靖子最果タヒも組んでやってたりしてて
あ:そのへんの界隈の……
か:そう。そのへんの界隈(笑)
あ:何か通じるものがあって
か:だから、この本のきっかけはTwitterだね。大学時代の読書友人から聞いたって流れの一つかな。

死んでしまう系のぼくらに

死んでしまう系のぼくらに

 

 

あかごひねひねのターン

か:じゃあ……「8」

あ:8?すげー最近だよ?……あ。『キノの旅14巻』
か:14巻(笑)

キノの旅 14―the Beautiful World (電撃文庫 し 8-33)
 

 あ:『キノの旅』は……最初なんで読んだんだろう……なんか、有名だっていうのは知ってたんだよ。ライトノベルとして。でも僕は高校の途中までライトノベル否定派だったの
か:わかるわかる
あ:でも、高3の受験の前くらいに、なんかいろいろどうでもよくなった時期があって。基本的にいろんなことんい否定から入るタイプだし、当時は「浮かれてる連中に喝!」みたいなタイプだったわけ。変なタイプの中二病だったの。「人生とは自らの存在を至高の作品にまで高めることに目的がある……」とか中二で言ってた人だから
か:なるほどそういうタイプか
あ:そういう奴だったから。その時期ちょうど「退廃的」っていう言葉を知った時期で。「退廃的じゃないか。ライトノベル」みたいな
か:(笑)
あ:そういうことをずっと言ってたわけ。「ライトノベルっていうのは児童文学の文章に性的な内容を含ませたものにすぎない。さかりの付いた児童文学だ」みたいな
か:そういうことを言っていたと
あ:でも高3の途中くらいで、そろそろ学校の図書館にある好きな本を読み切ってしまって
か:なるほど
あ:あと、僕は自分の中にキモオタ的メンタルがあることをずっと自覚してて
か:なるほどなるほど
あ:二次元に対してエロいって思えるメンタルの持ち主だということは、すでに分かっていた
か:はいはい(笑)
あ:分かってたけど、それに手を出したらだめだと。退廃の始まりだと。堕落への第一歩だみたいな(笑)。そういう感じでとどまってたんだけど、もういいやってなって。それである時、アニメの『涼宮ハルヒの憂鬱』とかを見始めたんだよね。そっからはもうダダダダダダダって感じで転がるようにそっち側へ。退廃的だと言っていた人にはちゃんと謝罪をし、仲間に入れてくれと許しを請い
か:ちゃんと和解したんだ(笑)
あ:「退廃的」っていうのも半分冗談で言ってたからね。まあ、そこからライトンノベルっていうジャンルへの興味が始まったわけです
か:なるほど
あ:だからリアルタイムじゃないんだよね。ネットで見てその関連動画から新しい興味の対象を見つけるみたいな感じ
か:はいはい
あ:で、そういう時ってけっこう「このライトノベルがオススメ!」みたいなネット記事とかを参考にするわけじゃない。すると『涼宮ハルヒの憂鬱』とか『狼と香辛料』とかと一緒に絶対、『キノの旅』は入ってくるわけ
か:入ってくるねえ
あ:それで、すごいキノの旅って面白いってのは知ってて。で、多分最初にどっかで買って読んで「あっ!短編だ!」と
か:そうだねえ
あ:しかも「ラブコメじゃないぞ!」と。それで「面白いじゃないか!」ってなって、今は新刊出るたびに買って読んでる。今だから全巻うちにあるんだよね
か:俺もキノの旅は読んでるんだけど、これは友人のK君が
あ:またK君(笑)
か:彼は本をよくうちに持ってくるんだよ
あ:そういうタイプのやつね
か:キノの旅も6巻くらいまで持ってきて、それ読んで「良いな」ってなった
あ:今は表紙の絵がリニューアルされてまた再版されてるね。僕、この前キノの旅の作者の時雨沢先生ににツイートがリツイートされて、アイコン見たら銃をかまえてるんだよね。時雨沢先生、どうやら銃が好きすぎて国内で銃を扱う免許を取ったらしい(笑)。
か:(笑)
あ:「クレー射撃ができるようになりました!」って(笑)

涼宮ハルヒの憂鬱 「涼宮ハルヒ」シリーズ (角川スニーカー文庫)
 
狼と香辛料 (電撃文庫)

狼と香辛料 (電撃文庫)

 

 

かみしののターン

あ:じゃあ、ちょっと昔に行くよ。「89」
か:89かー。
あ:大学時代とか
か:下手したら不明の時期とかかも。89はですね……わはは(笑)出たよ『傷物語
あ:(笑)
か:西尾維新傷物語』ですよ。そうか、この時期か
あ:ラテンアメリカ文学から、またえらいライトな(笑)

傷物語 (講談社BOX)

傷物語 (講談社BOX)

 

 か:これはねー
あ:どこで知ったんですか?『傷物語
か:これは要するに西尾維新をどこで知ったかってことだと思うんだけど
あ:そうですね
か:多分、西尾維新を何で最初に知ったかって言ったら、多分『めだかボックス』なんだよね
あ:あー、ジャンプのね。そっから知ったんだ

めだかボックス 1 (ジャンプコミックス)

めだかボックス 1 (ジャンプコミックス)

 

 か:そう。その時から「西尾維新が原作やるぞ」って話題にはなってたんだけど、知らなかったから。西尾維新を。それでめだかボックスを読んでて、「なんかこのマンガ、おかしいぞ」って。言い回しもなんかおかしいし、あと「どうやら西尾維新という作家は言葉遊びが好きらしい」って。で、どんなん書いてるんだろうって思って調べたら「物語シリーズ」とか「戯言シリーズ」とかを書いてるらしいと。で、その当時多分『化物語』をアニメで見てて
あ:ああ、やってましたね
か:それで千石撫子がすごい好きになって。カラオケで「恋愛サーキュレーション」とか歌ってひかれた記憶があるんだけど
あ:はいはいはい。そんなんじゃだーめってね
か:あとこの時期「君の知らない物語」とかもアニソンですごく流行ってて。その流れの中で西尾維新を知って、そのままの流れで『傷物語』まで読んだと

恋愛サーキュレーション(化物語)

恋愛サーキュレーション(化物語)

 
君の知らない物語

君の知らない物語

 

 あ:あのさ、ファウスト系の作家っていうのにその後興味を持っていくわけじゃない?その入り口は西尾維新なの?
か:そうだね
あ:じゃあ、ファウスト系の作家にたどり着いたもともとのきっかけはジャンプの……
あ&か:『めだかボックス
あ:そこからだったんだ(笑)
か:そうだわ
あ:佐藤友哉とかもそこから?それ以前に文学系の人間関係からの情報があった?あと舞城王太郎とか
か:確か西尾維新の「戯言シリーズ」を知ったのと同時にメフィスト賞を知って。
あ:あー、なるほど。そっから
か:その賞でデビューした人の中に佐藤友哉舞城王太郎っていう人もいる、と
あ:そうかー。それにしても西尾維新のしかも『めだかボックス』からとは……
か:『めだかボックス』からだね
あ:意外だね(笑)
か:そのあと同じサークルの人とかが「佐藤友哉面白いよ」とか言って知ったけど大元は……
あ&か:『めだかボックス
あ:これは僕的にはいい話聞けた感があるなあ(笑)
か:マジか(笑)
あ:お互いにファウスト系の作家に入ったきっかけおかしいよね。僕は編集長のニコ生から入ってるし(笑)
か:僕らぐらいの年齢の人が、ファウストの作家にはまったきっかけは聞いてみたいよね
あ:意外とみんなバラバラっぽいなー
か:東浩紀がめっちゃ好きだったって人はけっこういるじゃん
あ:東浩紀からファウストへってこと?批評とか思想好きの人はそうなのかなあ。あと、ニコ動をめっちゃ見てたとかね
か:そういうのもあるかもね。とにかく僕は『めだかボックス』が入り口だね

 

【つづく】