勝手に「このマンガがすごい」。オールタイムベスト10
青木です。
あかごひねひねさんが小説のオールタイムベスト10を書いていたので、
ぼくはマンガでやってみます。
藤子・F・不二雄『ミノタウロスの皿』
ドラえもん、パーマン、キテレツ大百科などで知られる藤子・F・不二雄の異色短編集。表題の「ミノタウロスの皿」をはじめとして、「劇画・オバQ」「自分会議」「コロリころげた木の根っ子」など、名作短編が目白押し。
小学生のときに図書館で出合ってから、藤子・F・不二雄の短編集を買い漁り、むさぼるように読みました。
奇抜なアイデアと見事な伏線。
「オチ」となる最後の一コマの破壊力にやられました。
「子供だましの漫画家」と思っている人にこそ読んでいただきたいです。
同シリーズの『箱舟はいっぱい 』『気楽に殺ろうよ 』もおすすめですが、この『ミノタウロスの皿 』が入門編としてもいちばん粒ぞろいに感じます。
羽海野チカ『3月のライオン』
みんな大好き『3月のライオン』。ご多分にもれず私も大好きです。
羽海野チカさんは、こんなファンシーな絵で「逃げるな」「闘え」「勝て」と真正面から言ってきます。その力強さに否が応でも心が動かされます。
前作の『ハチミツとクローバー』でも、正論を正論としてきっちり描いていて、酸いも甘いも知っている遅咲きの漫画家さんならではの哲学を感じます。
(ちなみにあとで紹介するよしながふみさんと対談した本↓↓がすごく面白かったんですが、羽海野チカさんって、よしながふみさんよりも年上なんですよね。驚きました。)
よしながふみ『フラワー・オブ・ライフ』
ということで、そのままの流れでよしながふみさん。
『きのう何食べた?』、『大奥』、『西洋骨董洋菓子店』など有名作品を連発するバケモノです。
絵が綺麗なので、すっっっごい乙女チックな少女漫画だと勝手に思っていたのですが、読んでみるとまったく違って。なんで今まで読んでなかったんだろうと後悔したほど。
『フラワー・オブ・ライフ』は普通だけども素晴らしい高校生の日常を描いています。とにかく読んでいて楽しい。
4巻完結なのですが、「ずっとその生活続けててくれ!」と思ってしまいます。
セリフもうまけりゃストーリー構成も天才的。なにげない一コマ、なにげない一言に笑わされたり泣かされたりの名作です。
手塚治虫『火の鳥 異形編』
漫画の神様、手塚治虫。膨大な作品の中から1編を選ぶのは至難のわざですが 、あえて短めの『火の鳥 異形編』を。
ライフワークだった『火の鳥』の中の、読み切りとしても読める1本(この1冊で完結します)。
八百比丘尼伝説を下敷きとしたタイムリープもの。傑作です。
『火の鳥』は異形編、生命編、未来編、などなどさまざまなエピソードがゆるく連なっているのですが、どこから読んでも面白く、すべてに共通するキャラクターがいるなどの仕掛けも盛りだくさん。
まずはこの異形編を読んでみて、気になったらほかの『火の鳥』にも手を出してみるのはいかがでしょうか。
ぜんっぜん関係無いですが、ぼくが最初に読んだ手塚作品は