飄々舎

京都で活動する創作集団・飄々舎のブログです。記事や作品を発表し、オススメの本、テレビ、舞台なども紹介していきます。メンバーはあかごひねひね、鯖ゼリー、玉木青、ひつじのあゆみ。

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2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ゆるやかな嫌煙

人の感情が揺れ動くことを「感動」と呼ぶなら、「嫌煙」という言葉はなんと喫煙者の感動を呼ぶことか。 以前、気のいい喫煙者の友人に冗談混じりでタバコの是非についての議論をふっかけたら、妙に座った目でキレ気味で反論してきたので、謝って彼にその話を…

『スターウォーズ/フォースの覚醒』新たな悪役、3人の主人公、血縁関係への偏執…【ネタばれ感想】

アート・オブ・スター・ウォーズ/フォースの覚醒 作者: フィル・スゾタック,リック・カーター,秋友克也 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス 発売日: 2015/12/26 メディア: 大型本 この商品を含むブログ (3件) を見る 率直に。地味だなと感じた。 と、いう…

気まぐれ京都写真集。永観堂紅葉ライトアップ編【おすすめ観光旅行】

青木です。 もう年の瀬。 暖冬とはいえ、さっぶいですね。 そういえば今年の秋は、永観堂禅林寺に行ってきました。 季節も変わりましたが、そのときの写真をアップしてみます。 2016年の京都旅行などのご参考になれば! 京都駅から京都市バス5番でどうぞ。 …

あかさか対談「桃太郎を深読みする」3(完結編)

この記事は以下の記事の続きです。 hyohyosya.hatenablog.com hyohyosya.hatenablog.com あか:あかごひねひね さか:さかごくるくる 〜脳内某所、おしゃれなカフェにて〜 あか「桃太郎はなぜ鬼退治に出かけると言いだしたのか。その話の前に、そもそもなぜ…

スタバ懺悔

僕はこの記事を京都三条河原町近くのスタバで書いている。 白状するが、僕はスタバが好きだ。それもいたってミーハー的に好きだ。ネット上で嘲笑の的になるタイプの、極めて恥ずかしいスタバユーザーだ。 スタバにいると、頭が良くなった気になる。文化的な…

マイム・マイムについて

最近、音楽についての記事をたて続けに書いている。 今回は自作の訳詞ではないが、また音楽に関する話だ。 マイム・マイムという歌がある。フォークダンスで輪になって踊る、何となくオリエンタルな感じのあの歌である。 この歌の中に「マイム・マイム・マイ…

新訳「Catch The Wind」

ご存知か まず、みなさんにお尋ねしたい。 ドノヴァンというシンガーをご存知だろうか。 フォーク・リバイバル・ブーム かつて1960年頃、アメリカでフォーク・リバイバル・ブームなるものが起こった。 「フォーク・ソング」は日本語で「民謡」と訳す。フォー…

“スターウォーズ祭”に参加する前に。これまでのおさらいとオススメ動画紹介【フォースの覚醒】

はじめてスターウォーズという世界を知ってから15年が経ちました。その間にシリーズ全6作品を鑑賞する機会にも恵まれました。Ep2、Ep3については劇場まで赴きました。旧3部作についてはまだ淀川長治さんがご存命だった頃の日曜洋画劇場の吹き替え版で鑑…

『スターウォーズ/フォースの覚醒』を観る前に。スターウォーズの原風景(※ネタバレなし

小学校4年生のときに当時僕らの授業を担当していた図工の先生が僕らの通っていた小学校にピーター・メイヒューという俳優さんを招くということがありました。スターウォーズの旧三部作シリーズでチューバッカを演じていた方です。どういう経緯でこのイベン…

ゆゆしい音色20:皆殺しのメロディ 【同人小説】

M市北部を東西にまたがるK通り沿い南向きに面した日当たりのよい位置に店を構えたスターバックスコーヒーは、午前中のこの時間帯に店先から通り側に構えたカウンター席を覗くとガラスに陽光が反射して中の様子が半分も伺えない。マユが店先に到着したとき、…

ゆゆしい音色19:種明かし【同人小説】

「父親を逮捕 川原で発見された女子大生遺体。−T県警 27日午前5時頃、T県M市M区、P大橋近くのQ川河川敷S県の大学校に通う学生、木村濃子さん(19)が遺体で発見された事件で、警視庁は今月1日、濃子さんの父親である木村正竹(49)を殺人および死体遺棄な…

あかさか対談「桃太郎を深読みする」2

前回の記事 hyohyosya.hatenablog.com あか:あかごひねひね さか:さかごくる あか「鬼がいったい何者なのか、という疑問は少し置いておくとして、旅立つ桃太郎におばあさんが作ってくれたのがきびだんご、おじいさんが渡したのが「日本一」と書いたのぼり…

【M-1】どんなに面白い漫才をしても、だれかの手下になるしかない芸人たち【2015感想ていうか想像】

青木です。 M-1グランプリ2015 からもうすぐ2週間。 本番前にこんな記事を書いたのですが、 M-1 2015の審査員が歴代王者9人では“ショボい”? 松本は?たけしは? こりゃ、今のテレビ界を象徴することだと思う。 M-1 2015審査員は歴代チャンピオン――。 たけし…

ゆゆしい音色18:デート 【同人小説】

M市警察署。県警の捜査本部が川原で発見された若い女の遺体に関する事件を捜査する間、刑事課に寄せられる庶務はほとんど大足とみきの二人でこなすことが多かった。平日の17時に毎日帰宅できるのもこの二人だけだった。 「大足さん、お疲れ様です」 「おお、…

ゆゆしい音色17:同窓 【同人小説】

8月15日。奏江みき、小学校と高校の同級生と食事。 「みきちゃん、ひさしぶり! 超ひさしぶりじゃない? え?だって高校ぶり? ってことはもう15年ぶりじゃない? だったら私たち、もう33になっちゃうじゃん。やだ、ちょっと待ってよ。ちがうちがう、そん…

ゆゆしい音色16:儀式 【同人小説】

T県警察M市警察署副署長、柳沼六郎の葬儀はその週末の日曜に行われた。 M市のインターチェンジ入口へと繋がる立体交差の脇には二つの葬儀場がある。式はそのうち大通りからこの道に入って奥まったところにある二つ目の葬儀場で行われた。駐車場の奥にある3…

ゆゆしい音色15:お祭り 後編【同人小説】

8月6日、20時30分。 僕ら夫婦は隣に座った人の声も聞こえない音量で音楽の流れる店で3人のおじさんと酒を飲んでいる。 妻の重厚な演奏が終わったあと客席は一晩中走り続けたマラソンランナーみたいにどっと疲れきっていたが、信じられないことに実際の時…

あかさか対談「桃太郎を深読みする」1(あかごひねひね&さかごくるくる)

あか:あかごひねひね さか:さかごくるくる 〜脳内某所、おしゃれなカフェにて〜 あか「と、いうわけでね。桃太郎を深読みしてみようと思って」 さか「唐突だね」 あか「まね。でもほら、言うじゃん。えーっと。あの、何かほら、恋とか。「唐突」にって」 …

ゆゆしい音色14:お祭り 前編【同人小説】

8月6日。 19時からの公演に合わせてリハーサルは中止しなければいけなくなった。本来なら3の倍数の月にしか行わなかった定期のリサイタルをずらしたせいで「8月なのにものすごく9月みたいな気分だ」と文句を言われながらも僕はなんとか妻にピアノを弾く…

ゆゆしい音色13:ピアニスト 【同人小説】

7月26日 午前9時。 甲斐の家の近所のスターバックスコーヒーはM市北部を東西にまたがるK通り沿い南向きに面した日当たりのよい位置に店を構え、午前中のこの時間帯に店先から通り側に構えたカウンター席を覗くとガラスに陽光が反射して中の様子が半分も伺…

ゆゆしい音色12:時には運のない娘のように 【同人小説】

酒のせいで首筋から耳の周りがずきんずきんと痛む中、昨日妻が連れてきた男の処理をはじめる。いつものように彼女が頚椎の一部分を骨折させたことによって男は窒息している。めずらしく今回、他の外傷はほとんど見られない。新品らしいナイキのランニング・…

ゆゆしい音色11:おわかれ 【同人小説】

裸の女はウー、ウーと寄せては返すドップラーなサイレン音に導かれ、トネリコ模様があしらわれた薄いミントグリーンのカバーがついた羽毛布団を羽織ると少女に戻ったみたいに勢いよくベッドを飛び降り窓際まで駆けていきカーテンを開いて布団の裾を重たいド…

東北旅行記4

橋を渡るとそこはもう青葉城の跡地の一部らしかった。と、言っても門の跡がその近くにあっただけで、本丸まではしばらく歩く必要があった。 沼 橋を渡ってすぐ、こんな場所を見つけた。 まさか日本のフィギュアスケートの出発点が「沼」だとは思いもしなかっ…

新訳「デイドリーム・ビリーバー」

鯖ゼリーです。 僕はモンキーズの「デイドリーム・ビリーバー」という歌が好きです。セブンイレブンのコマーシャルや店内に流れてるあの歌です。 Monkees - Daydream Believer - Great Audio ... それで、かれこれもう4年くらい暇な時には「デイドリーム・ビ…

「ゆゆしい音色」10:ゆゆしい音色 【同人小説】

「プロになろうと思ったことはないの?」 羽生の質問はマユの耳には届かなかったのだろうか。こんなにいい耳をしているのに? 平らげられたばかりの何枚もの皿、中華料理の残骸を隔てて座る彼よりも少し年上の女。彼女のとりわけ高性能な耳は意味を持った言…

「ゆゆしい音色」9:豚のナポレオン 【同人小説】

1917年、マユの曽祖父にあたる男、北村和夫は四国のドイツ人捕虜収容所で事務員をしていた。1914年にはじまった第一次世界大戦の余波により日本はイギリスによる要請から日英同盟に基づいた大陸への進軍を開始する。戦局が連合国側優勢に傾くと青島をはじめ…

お題「マイブーム」

お題「マイブーム」 マイブーム こんばんは。あかごひねひねです。「お題スロット」なるものがあったので、回してみると「マイブーム」が出ました。 みうらじゅん氏を敬愛してやまない僕が、このお題で書かないわけにはいきません。 なんといっても「マイブ…

「ゆゆしい音色」8:指さすほうへ【同人小説】

6月13日。 M警察署で一番小さな会議室。折りたたみ式の机が縦に3列並び、午前9時の今にも雨の降りそうな空、東側の壁の窓を遮るサッシ越しに曇り空から強めの紫外線が差し込む。ホワイトボードの前に立った甲斐という刑事はまだ40になったばかり。くるく…

「ゆゆしい音色」7:悪魔(後編) 【同人小説】

数式によってこれから起こる未来を見通そうとする思考の歴史は古い。それは「決定論」と呼ばれ、一部の学者はそうした決定論を純粋に使いこなす知性を悪魔と呼んだ。フユヒコと有下の共著、二版目の『適正人口』はそれほど厳密な分析ではなかったはずなのに…

「ゆゆしい音色」6:悪魔(前編) 【同人小説】

5話までのあらすじ 「人間に一番害をなすものは他の人間」 そう言って、3ヶ月に1度のリサイタルの前日に必ず人を殺すアマチュア・ピアニスト、西村マユ。彼女は無職の夫と父親の金で買った郊外の一軒家に暮らしている。夫のフユヒコは国立大学の社会学部の…