飄々舎

京都で活動する創作集団・飄々舎のブログです。記事や作品を発表し、オススメの本、テレビ、舞台なども紹介していきます。メンバーはあかごひねひね、鯖ゼリー、玉木青、ひつじのあゆみ。

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マイム・マイムについて

最近、音楽についての記事をたて続けに書いている。

今回は自作の訳詞ではないが、また音楽に関する話だ。

 

マイム・マイムという歌がある。フォークダンスで輪になって踊る、何となくオリエンタルな感じのあの歌である。

 

この歌の中に「マイム・マイム・マイム・マイム・マイム・ベッサソ」という歌詞がある。というか、僕はこの部分以外の歌詞を明確に聞き取れたためしがない。

いつか、たしか音楽の教科書で読んだのだが、「マイム」は水、「ベッサッソ」は「喜び」を表すらしい。

 

その教科書には「掘り当てた水を喜ぶ歌である」的なことが書いてあったように思う。

イスラエルといえば乾燥地帯のイメージがあった僕は、特に疑いもせず、へーやっぱり砂漠は水が出たら嬉しいんだなー、と思っていた。

それどころか、そのあと何度か友人などに「これはイスラエルの歌で水を喜ぶ歌なんだよ」と説明した記憶もある。

 

ところがつい最近、ひょんなことからマイム・マイムの歌詞について調べて驚いた。

確かに、昔教科書で読んだ通り、「マイム」は「水」、「ベッサッソ」は「喜び」を表す言葉だったのだが、この歌、単純にただただ「水が出てきてウレシイナ」という歌ではなかったのだ。

 

マイムマイムには明確な歌詞があり、その日本語訳も実は簡単に見つけることが出来る。なぜなら、この歌はユダヤ教の経典である旧約聖書の一節を一部リフレインしながら、そっくりそのまま歌詞にしているからだ。

 

マイムマイムの歌詞になっているのは、旧約聖書の中のイザヤ書の12章3節である。

その部分の意味が分かるように、その少し前の11章の11節「帰還と救い」から当該箇所までを、少し長いが下に全て引用する。(赤字が当該箇所)

帰還と救い

その日が来れば、主は再び御手を下してご自分の民の残りの者を買い戻される。

彼らはアッシリア、エジプト、上エジプト、クシュ、エラム、シンアル、ハマト、海沿いの国々などに残されていた者である。

主は諸国の民に向かって旗印を掲げ

地の四方の果てから

イスラエルの追放されていた者を引き寄せ

ユダの散らされていた者を集められる。

エフライムのねたみは取り去られ

ユダの敵意は断たれる。

エフライムはユダをねたまず

ユダはエフライムに敵対しない。

彼らは西のペリシテを側面から襲い

共に東の民を略奪する。

彼らはエドムとモアブを支配し

アンモンの人々を服従させる。

主はエジプトの海の入り江を干上がらせ

御手を大河の上に振って、強風を起こし

それを打って七つの流れとし

サンダルのまま渡れるようにされる。

エジプトの地から上った日にイスラエルのために備えられますように

アッシリアに残されていたこの民の残りの者にも、広い道が備えられる

12章

救いの感謝

その日には、あなたは言うであろう。

「主よ、わたしはあなたに感謝します。

あなたはわたしに向かって怒りを燃やされたが

その怒りを翻し、私を慰められたからです。

見よわたしを救われる神。

わたしは信頼して、恐れない。

主こそ私の力、私の歌

私の救いとなって下さった。」

あなたたちは喜びのうちに 救いの泉から水を汲む

 

赤字で表した部分の「喜びのうちに」が「ベッサッソ」。「水」が「マイム」である。

 

マイムマイムはただ単純に水が出てきて嬉しいだけの歌というわけではない。

その歌詞には、もう少し宗教的な深い意味があったのだ。

 

以上。

 

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