SMAP「謝罪生放送」の強烈な違和感。ベッキー、SMAP、水曜どうでしょうと比較……。
青木です。
さてさて。ベッキーに続いてSMAPが謝りました。
1月18日のスマスマ(SMAP×SMAP)生放送。
関東地区の瞬間最高視聴率が37%以上ということなので、何百万人(もっとか?)の前で謝罪したということになります。
ぼくのツイッターのタイムラインでは、かなり多くの人が強い違和を感じながらこれを見ていたようです。
「恐怖映像」「トラウマになる」と言っている人もいました。
5人の顔色とかは確かに怖かった。映像って雄弁!と思いました。
ぼくもSMAP(特に中居正広)が好きなので、ずっとモヤモヤしていました。
このモヤモヤは何なのでしょう。
多くの人が指摘している通り、
「謝罪の必要があるのか」
「だれがだれに謝るべきなのか」という
そもそも論が、芸能界という魔界ではぐっちゃぐちゃになっていて、それが強い違和感となっているのだと思います。
そこのところを整理しつつ、最終的には
今回のことをきっかけにSMAPの価値は、また上がるんじゃないか、
ということを書きたいと思います。
(続き、書きました↓)
謝罪よりも説明がほしかった
端的に書けば、
「事務所を抜けようとしたキムタク以外の4人が、ジャニーさん(とメリーさん)に謝ることを強要される」
ということが
テレビ演出と事務所の意向によって
「世間を騒がせたSMAP5人が、自主的に視聴者に謝り、語りかける」
という、かたちだけの儀式になっていたことが違和感の正体です。
ほんとうは
「結局、何があったの?」ということをSMAPの5人は言いたかったのかもしれない。
「これからどうなるの?」ということを視聴者はもちろん聞きたかった。
しかしまあ、それはできませんでした。
一般の視聴者にとってみたら、「説明」はしてほしいけど
SMAPに謝ってほしいなんて思っていない。
だって、なんの迷惑もかかってないし。
お騒がせしたって言ったって、野次馬にとってはむしろ退屈が吹き飛んだくらいの気持ちだし。
だれが、どういう理由で、だれに謝るべきなのかが、
視聴者の感覚ととことんズレている。
むしろ所属事務所の社長が謝るべきだろ、という意見すらあるくらいですから。
『水曜どうでしょう』、鳥取砂丘の砂事件。
謝罪というと、思い出すことがあります。
それは、大泉洋を生んだ北海道発のローカル番組『水曜どうでしょう』が起こした「不祥事」へのディレクター陣の対応。
2000年、原付西日本制覇という企画で鳥取砂丘を訪れた際の砂丘の砂の扱い方が、
7年後の2007年、法令で禁止されている行為だったと発覚したんです。
(砂を持ち出したり、砂の上に「水曜どうでしょう」という番組名を書いたことがいけなかったらしい)
これはその当時、結構ニュースになりました。
それで、『水曜どうでしょう』のディレクターの藤村忠寿、嬉野雅道両氏は対応を迫られたのです。
「HPに謝罪文を掲載せねば」と考えたものの、
すぐに「でもちょっと待てよ」となりました。
「おれたちはなんで謝るんだ?」
「何にも考えずに『このたびは……お騒がせし……』でいいのか」
金を盗んだり、人を殺したわけではない。
騒いだのは世間が勝手に騒いだんだ。
「『水曜どうでしょう』は、だれに謝ればいいんだ」
そこから、考えて、考えて、
結果的に出した謝罪文では
「お騒がせした世間」ではなく、
原付西日本という面白い企画を二度とテレビで見れなくなったファンの人たちに謝ります、「ごめんなさい」と謝罪しました。
(手元に本がないのでうろ覚え。↓この本に収録されています)
これがディレクター陣の結論でした。
「だれが、どういう理由で、だれに謝るべきか」という
そもそも論を、きっちり詰めた答えだと、ぼくは思いました。
ある意味で『水曜どうでしょう』は、芸能界の“外”にいたのでしょう。
砂事件のように、
「よくないこと」をしたベッキーは、芸能界のど真ん中にいたために
「CMスポンサー」に謝りました。
(『水曜どうでしょう』が芸能界のど真ん中にいれば、こうした対応を関係者が許したかは疑問です)
でも、SMAPは「よくないこと」を別にしていない。
むしろ謝ったほうが、「スポンサー」的には迷惑でしょう。
視聴者にも、スポンサーにも、謝る理由がない。
「謝らされている大人」が怖い。
「だれが、どういう理由で、だれに謝るべきか」が、
ぐちゃぐちゃなまま、大人の男が公開謝罪をさせられている。
それも、その男たちは、日本のトップに輝くアイドルたちです。
その事実自体が恐ろしい。
そして憔悴しきったメンバーたちは、ただただ痛ましい。
でも、一日たって、
これは、結果的に、SMAPの価値を、上げることになるんじゃないか……。
と思えるようになりました。
次回の記事に続きます。
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