京都人に通じなかった京都弁集
今週のお題「方言」
僕は京都出身で所謂「京都弁(同じ関西弁でも京都や大阪など地域ごとに違いがあります)」話者なんですが、地元の友人に話してもあまり通じたことがない京都弁というものがいくつかあります。おそらく父方、母方の祖父母がどちらも生粋の京都人でしかも割合近くに住んでいた影響から、少し古い京都弁を聞く機会が多かったせいだと思います。
今日はそんな「京都人にも通じないことがある京都弁」をいくつかご紹介します。
「おくない」「おいない」
多分、語源は「おくれなさい」「おいでなさい」あたりの言葉だと思います。それぞれ「ちょうだい」「来て」という意味です。
「おくない」は父方の祖父(食いしん坊)が我が家の卓上にある残りものの惣菜や冷蔵庫内の食品、孫のおやつ等に美味しそうなものを見つけると「ちょっとおくない」と、一口食べたがったので、我が家ては頻出ワードでした。「おいない」の方は「こっちおいない」「京都においない」という風に使います。
「ねき」
これも若い世代では知らない人がいます。「そば(”蕎麦”ではなく”側”)」の意味です。先ほどの「おいない」とセットで「もうちょっとねきにおいない」みたいな使い方をすることもあります。
「にぬき」
ある食べ物を表す名詞です。なんだと思います?正解は「ゆでたまご」です。ラーメンに入る味付きのたまごを「煮玉子」なんて言いますが、京都弁の「にぬき」はなんの味もしないプレーンなゆでたまごを指します。若い人はあまり使いません。
「やにこい」
これは特に通じない。同年代の人に通じたことが一度もありません。そのくせ我が家では割とよく使う言葉なので、一時期は大変混乱しました。
買ってきた人形の首がとれそうだったり、階段の手すりがグラグラで外れそうだったり、そんな場面で使います。「壊れやすそう」みたいな意味です。実感としては「壊れやすそう」+不信感、みたいなニュアンス。
「これやにこいし買わんとき」というふうに使います。
ちなみに「やにこい」よりもポピュラーな似た表現に「もっさい」があります。こちらは対象のレベルというかグレードというか、のにかくもっと抽象的に質が良くなかったりダサいことを表します。
以上が、僕が今までに「京都人にもつうじない」を経験したことがある京都弁です。
これをマスターすればあなたもコアな京都人!
なんちゃって。それでは、また。
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