第四回よまいでか『夜は短し歩けよ乙女』
八月も八月。なんといっても夏真っ盛りである。読者諸兄におかれましてはBBQに海水浴に破廉恥極まりなく東奔西走し、織姫と彦星とついでにデネブすらもどきどきあわあわ顔を紅潮させるような逢瀬を交わしていることと思われる。
- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/12/25
- メディア: 文庫
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この人とこの作品については、ごまんと言及されていると思います。「森見登美彦 ブログ」「夜は短し 感想」とググってみてください。たぶん無限に出てくるのではないでしょうか。
このブログの冒頭のように森見の文体を模写したブログも(たぶん)あるだろうし、リンクしている他の森見作品との比較も(たぶん)すでにされていると思います。書こうと思えば、地の文における太宰治や織田作之助の影響や、町田康との比較や、和製マジックリアリズムとしての幻想都市京都などいくらでも切り口はあると思いますが、どうも、この作品にはそういう文学的なああだこうだはふさわしくない。
じゃあ、いまさらこの作品について何を書くのか。
自叙伝でしょ。
どういうことか。
京都で学生時代をすごしたのでぼくにとって、この作品に出てくる様々な土地には思い出がつまりにつまっているわけです。
そういうわけで、今回はぼくの京都の思い出語りとなります。これまで京都で過ごしてきた人にとっては抒情と懐かしさを、これから京都で学生生活を送ろうという若人には夏目漱石の『三四郎』なみの現実を叩きつけてやろうというのが、今回の記事の目標です。
聖地巡礼とか京都観光のサイドリーダーとして使ってみてください。
そもそもぼくは京都のとある大学で文芸サークルを主催していたのですが、話を聞いてみれば、まあ森見登美彦にひかれて京都に来た学生の多いこと。
そんな夢みる森見読者に京都のオモチロオカシクも奇妙な世界を押し付けてやりましょう。
まずは京都中心地の大まかな地図を載せておきます。
へたくそな絵ですね。気にしないでください。京都ですごすなら、まずはこの三条・烏丸・四条・河原町の四辺で囲まれた「センター・スクエア」の位置を把握することから始めなくてはいけません。(おまけで大きな本屋もかいときました)
ご存知の通り京都は碁盤の目のような道の配置であり、東西南北がしょっちゅうわからなくなります。
地下鉄四条駅や阪急河原町駅から地上に登ってきたとき、目印を見つけておかないとすぐ迷子になります。危険ですね。
このセンター・スクエアは、つねに観光客でごったがえしており、日本三大祭りのひとつである「祇園祭」のときなどは徒歩5分の距離をたっぷり30分以上はかけて歩くことになります。ぼくは大学を「祇園祭の人込みで駅までたどり着けなかった」という理由で休んだことが何度かあります。
この辺りには非常に多くの観光客目当ての店や喫茶店が乱立していて、深く見ていこうと思えば1日では足りないくらいディープなエリアとなっています。
それではまずこのセンター・スクエアを中心に、本文中の描写とあわせて景色を見ていきましょう。
四条木屋町の交差点から高瀬川を下った暗い街中に、木造三階建の古風な西洋料理店があて、高瀬川沿いの並木に温かい光を投げている。(p9)
四条木屋町。いついっても楽しい場所です。4月の新入生歓迎会の時期には、ひとめでフレッシュとわかる大学生たちが大量に出現します。鴨川沿いのコイキングくらいうじゃうじゃいます。
新歓以外の時期にも、派手な格好をしたお姉ちゃんやいかついお兄ちゃんがあの手この手で大人の妖しい世界へ誘ってきます。「おっぱいどうですか」とにこやかに言われても、紳士諸君は「おっぱい結構です」と慇懃にお断りしましょう。
このキャッチと呼ばれる人がたくさんいる、つまりガールズバーや飲み屋が密集しているのが木屋町通という場所なのです。
ちなみにきらきらしているのは四条通より北側の話。横断歩道をわたってマクドナルドの脇を通り、底の浅い高瀬川に沿って南に進むと、さらにいっそう大人な世界が広がっています。写真の通り、人もあんまりいません。健全たる紳士淑女はあまり足を踏み入れないようにしましょう。
ぼくは木屋町で飲みすぎ、この南側に足を踏み入れ、普通のバーと思って入ったらガールズバーでした。
「この世界はくそですね」
というぼくのめんどうくさい絡みを「そうですかね」とひたすらきいてもらいました。隣ではくたびれたサラリーマン風の男がいて、ひたすらお金の話と仕事の話と今日この後どうや……といった類の話をしていました。怖いところですねえ。
四条木屋町、阪急河原町駅の地上出口のわきでは、ギターを弾く若者とそれに聞き惚れる人々がおり、道行く女性に食い下がっていく黒スーツの男衆が立ち回り、顔を紅くした老若男女が次なる止まり木を求めて賑やかに数かぎりなく往来する。(p11)
阪急河原町駅は地下にあるのですが、その出入り口の一つが四条木屋町にあります。
ここでは、少なくともぼくがいつもと感じるくらいは頻繁に路上ライブが行われています。アコギ片手に長渕剛を歌っていたり、マジックショーをしていたり、あなたの顔を見て詩を書きますという商売をしていたり。アコギの人は噂ではレコード会社のえらい人とかいう話も……。
この出入口の付近にはラーメン屋、飲み屋、クラブ『WORLD』、喫煙所、『喫茶店ソワレ』、ファミリーマートなどが立ち並び、木屋町でも屈指の人ごみとなっています。
ぼくはこの喫煙所が好きで仕事に疲れるとやってきて、底の浅い高瀬川をぼんやりみながら煙を吐いてじっとしてると、実にいろいろな非日常に遭遇することができます。酔っ払い、ナンパ、謎の老婆、同伴出勤。右からは長渕、左からは『チファジャ』の音楽、後ろからは『WORLD』のダンス・ミュージック。ごちゃごちゃしたBGMと人の流れは疲れた頭と心にはぴったりなので、疲れてしまった人はここへ来ましょう。
私は知人に教えられた、木屋町にある「月面歩行」というバーを選びました。(p13)
学生の強い味方。「月面歩行」こと『ムーン・ウォーク』。チャージは別ですが、一杯なんと200円。これはなかなかありえない値段設定。木屋町沿には三軒ありますが、それぞれ内装が違っていて、場所によってはヴィレッジ・ヴァンガードみたいになってます。
名前だけではよくわからないお酒もたくさんあるので、じゃんじゃん頼んでお酒マスターになりましょう。
ここにも学生時代はよくお世話になって、やけにテンションが上がってショットをしまくり、悪ーい店長さんとたまたま来ていた常連さんの策略によって「これをあちらのお嬢さんに」という例のアレをさせられたところ、そんなことに慣れないぼくと友人Kは顔を赤らめて顔すらまともに見られなかったという、純情も純情、阿呆なのかという一幕もありました。Kは酔いつぶれてトイレにこもって吐き散らし、店員のウッチーと意気投合したぼくは余りものをもらったり、いろいろなサービスをしてもらったのですが、後日そこを訪れると「ウッチーなんてバーテンいないよ……?」と言われてしまいました。ではあの記憶はいったい……??
他にも新歓で財布の中がすっからかんになったり、友人が酔っぱらってぶちまけたりと、木屋町付近にはオモチロオカシイエピソードがたっぷりです。ぜひ体験してみましょう。
ちなみに三条木屋町の『ムーン・ウォーク』の下にある『みよし』というラーメンは、酔っぱらった体に深くしみいるラーメン屋なので一度食べてみてはいかがでしょう。
東堂は頷くと風呂敷包みを解いて、春画を並べた。(p41)
場所は飛んで寺町通。三条通りよりも北にいったところにはいくつか古本屋があります。(ちなみにこの辺りにある『スマートコーヒー』のたまごサンドはK曰く「京都で一番おいしい」そう。ぼくも食べましたがとてもおいしかったです)
たいていは仏教や書道の専門書の店なのですが、一軒、軒先に春画をおいている店があります。春画が何かわからない人のために説明すれば、春の絵です。浮世絵です。情緒豊かですね。
ぼくはあくまでも研究的対象として春画に興味があったので読んでいたら、となりに50代くらいの紳士がすすっと寄ってきて「ほう……君はこういうのが好みか。こっちはどう?」と戦友かなにかのごとく話しかけてきました。そうしてぼくらはお互いに春画の話をして、さわやかに別れました。こういう情緒豊かな出会いが起こりうるのも、京都ならではなのです。
おじさん方はめいめい考えに耽って赤玉ポートワインを舐めました。(p46)
大学生が京都で酒を飲もうと思えば、『ムーン・ウォーク』かチェーンの居酒屋か宅飲みということになります。そんなときに重宝するのが『リカー・マウンテン』。多くの種類の酒、割りしろ、つまみが揃ったお酒のお店です。大人ですね。よくあるのはニッカ(ウィスキー)を買ってコーラやサイダーで割るパターンか、カシスを買ってオレンジジュースかサイダーで割るやつですね。前者(ハイボール)に取りつかれたぼくとKとTは、堕落し大学にろくに行かなくなったのでした。ご利用は計画的に!
リカマンは例の喫煙所の裏、それから木屋町と河原町をつなぐ横の道のどこかにあります。このあたり入れ組んでいて、正確な場所がいまだにわかってません。
『タナカコーヒー』という朝まで開いている喫茶店があるので、どうしてもリカマンの場所がわからなければ、そこで優雅に朝を迎えましょう。
ちなみに赤玉ポートワインはちょっとでも舐めてみるとわかると思いますが、ものすごく甘い。ゆえに飲みやすい。ゆえに酔いやすい。女性のみなさん、ワインの飲みすぎとワインをすすめてくる男にはお気を付けください。それと日本酒飲めるキャラはいいですが吐くときはしっかりトイレで吐きましょう。
また、『夜は短し歩けよ乙女』に出てくるお酒としてもう一つ有名なのは「偽電気ブラン」。これを出す店も木屋町にはありました。居酒屋『半兵ヱ』。ここも安い値段で酒を出す奇妙な店で、駄菓子、パンの耳、いなご、かえるといった珍妙なものも食べることができます。
鯉のぼりはそのまま先斗町の街路を漂って行ったので、夜遊びに耽る人たちを驚かせたことでしょう。(p53)
木屋町の話をしてきましたが、次は先斗町。鴨川と高瀬川というふたつの川(革)に囲まれていることから鼓に見立てられて、鼓はたたくと「ぽん」という音が鳴ることから「ぽんとちょう」と名付けられたこの通りは、木屋町とは打って変わって、一見さんお断り風の雰囲気がぷんぷん漂っています。道もめちゃくちゃ狭いです。
とはいえ片側は川床をもつ店がならんでいて、案外安い値段で川床(鴨川に張り出している床)で飲食することができます。
まっすぐ四条側から北上すると、途中で公園にたどり着きます。ここは名探偵コナンの劇場版でもでてくる公園なのですが、時期によってはうぇいうぇいしている大学生のたまり場となっています。そういうときはすべり台になっている山の頂上に登って見下ろしてやりましょう。
この公園付近では舞妓さんが歩いていたり、占い婆さんが占いをしていたり、有名人が通っていたり(ホンジャマカの石塚とモト冬樹は見た)するので、ぼんやりしてみても面白いかもしれません。
ぼくは先斗町のお店でバイトしていましたが、ロシア人にぶち切れられてやめました。異文化交流したい人は、先斗町でバイトしてみても面白いですね。
鴨川に面した硝子窓から覗けば、暗い鴨川と、京阪三条駅界隈の明かりが見えている。(p55)
四条から河原町を北上し、学生の昼食のおとも『丸亀製麺』『すた丼』や『ココイチ』の魔力から逃れて、三条まで抜けると、今度は『来来亭』、『金沢カレー』、『びっくりドンキー』の魔力につかまります。それらを断ち切って、木屋町三条の『アボカド専門店』、『松屋』も振り切って、まっすぐ東に進むと三条大橋が出てきます。
ごおーっという鴨川の流れ、河原沿いのパフォーマー集団。河原の様子については後に回すとして、橋の上を見てみましょう。京阪三条駅があり、その建物には三階建ての『BOOK・OFF』がはいっています。この付近のBOOK・OFFといえば、あとは四条河原町の『OPA』の8階にあるものぐらいなので、お金のない漫画読みや文学青年・少女はこのあたりを散策することになります。
思ったよりも品ぞろえはいいです。大学に入って全員に配られる本がたくさん売られているのもご愛敬。
ちなみに三条大橋には昔の刀傷が残っているので、探してみてはいかがでしょう。
その他にでてきた地名については以下にまとめておきます。
私は古本市に弱い。(p77)
京都、下鴨神社の参道である。
齢を重ねた楠や榎が立ちならぶ糺ノ森を、広々とした参道が抜けてゆく。ちょうど盆休みにあたる頃だから、蝉の声が降りしきっている。(p79)
これはもう、なんといっても一度は行かなきゃいけないイベントです。
京阪電車をつかって出町柳までいってもよし、自転車で行ってもよし、下鴨糺ノ森にずらっと本が並ぶ様子は壮観です。黒髪の乙女がいるかどうかは別として、本好きにとってみたらある種の天国のような場所。ただ広い上に暑いので、しっかり水分を取っていったほうがよいと思います。
文学、芸術の専門書から小説、辞典、果ては映画のポスター、アイドルのブロマイドが立ち並び、その間を縫って多くの人たちが物色しています。ぼくは様々な専門書をあきらめて『拷問全書』を購入しました。
ここではどんな楽しみ方をしてもいいと思います。原作のように、本の連想ゲームをしてもよし、表紙買いをしてもよし、ところどころ用意されている椅子に座って雰囲気を楽しんでもよし。
帰り道、自転車のかごに『拷問全書』を入れ汗だくになる男の背中には、ひぐらしが夏の終わりを告げていた。かなかなかな、という物悲しい音が、薄く日が落ちた森に、孤独に響き渡っていた。ぼくは抹茶のかき氷を食べて帰った。なんといっても、夏だった。
この阿呆の祭典は、聳え立つ時計台を中心として校舎が点在する「本部構内」と、東一条通を挟んで南にある「吉田南構内」を主戦場として繰り広げられる。(p154)
京都大学吉田寮。ここについては5~6年前の知識で書きます。ぼくが前もって知っていたのは『四畳半神話大系』の「私」の宿の元ネタである、という知識くらいでした。
当時は吉田寮の寮生が農学部の家畜を盗んで食料としているだの、公安にマークされているだの本当なのか嘘なのかわからない嘘が跋扈していて、なんともおどろおどろしいところだな、という印象でした。
はじめていったのは劇団・愉快犯という学生演劇の公演。これがものすごく面白かった。一発で演劇に魅せられたぼくが、尿意に任せて寮へ行くと寮生が玄関に集まって鍋をしていた。脇を通り過ぎると、外から仲が丸見えの部屋がいくつかあり、突き当りにトイレがあった。これが筆舌に尽くしがたいトイレで、なんだかすごいところに足を踏み入れてしまったと、忘れがたい場所になりました。
その後もいろいろな伝説(寮に住み着く仙人のような男、勝手にシネマに仕立て上げた等々)をきき、ますます神聖化された場所として、吉田寮はぼくの心の中に深く刻まれています。
改装されたという話もよく聞きますが、こういう文化は消えないでほしいです。
俺はだんだん苦しくてたまらなくなり、ついに一念発起して吉田神社に願を掛けることにしたのだ。(p187)
京大の裏には神社がある。ぼくとKは愉快犯の公演までに時間があったので、ビールを買って、この吉田神社で飲んだ。夕方も遅く、みんなチルしている時間帯なので人も少ない。穴場です。
『徒然草』の吉田兼好の神社であるわりに、なんだか影が薄いところが特に最高です。
鴨川の西側、今出川通の南には御所の森が広がっています。(p248)
同志社大学の目の前には、御所がある。この内裏は年に何回か解放され見物できるのですが、周りの森はいつでも立ち入り自由で、よく授業をさぼって桜や紅葉を見ながらお酒を飲んでいました。
当時の弾痕がまだ残っている「蛤御門」のように有名な観光スポットもあるのですが、何よりこの御所には、「マップにのっていないトイレ」というのがありまして、丸太町沿いから入ってすぐの森の中に進んでいくと、あきらかに異様なトイレがあります。
入口は不自然な形で封鎖され、入れないようになっています。ただ、どこの悪ガキが置いたのか、中を覗く足場となるような石は置かれています。
ぼくは怖いところに行くのは好きですが、接近はしたくないのでみませんでしたが、何人かは覗いていました。ぼくは何とはなしに外側を散策していると、正面からは見えていない「後ろ側」にとても怖さを感じたので見ないようにしました。中には特に何もないようでしたが、帰り道、後ろ向きに歩くおじさんと遭遇しました。
そのトイレでは焼身自殺があったとのことです。
そんなことを言い合いながら、我々は鴨川の土手を歩いていきました。(p251)
もういまさら「鴨川等間隔の法則」なんて話を出すのも野暮なのですが、あるものはしょうがない。四条大橋から川土手を見てみましょう。石川五右衛門じゃなくても「絶景」といってしまいそうになるはずです。
鴨川と京都の大学生は切っても切り離せない関係性があります。哲学風なことをいうトンチンカンな大学生や、きゃあきゃあ笑い合う桃色娘や、外国人の吐しゃ物、パフォーマー。北上して「鴨川デルタ」ともなると、大した面積もない三角形に、わらわらと大学生が集まって、破廉恥極まりない宴を催すこととなります。コンビニもマクドナルドもほど近いこの場所は、自然とひとつになり、1は0、0は1を体現できる最適の場所なのです。
何度、鴨川で朝を迎えたか。夏は蚊に刺され、秋はヌートリアと向かい合い、冬は凍えながら。日本酒と詩集を持ち込み、神的体験を味わおうとしたこともありました。愛と憎悪はこの鴨川にあるといっても過言ではありません。
なんだかんだいって、鴨川で一夜を過ごすというのは、京都の大学生の矜持なのです。
時間のある時に、今出川通(鴨川デルタ)から四条通まで川沿いを歩いてもよし、叢に座って星を眺めてもよし、春先のまだ川が浅い時には横断してみてもよし。
鴨川は我々に無我の境地、世界の理、涅槃、菩提、超越的真理etcを啓いてくれるはずである。
哲学の道沿いの桜並木もすっかり冬の風に葉を散らしてしまって、あの砂糖菓子のような満開の桜を想像することもできない淋しい風景です。(p254)
哲学の道。
これはもう名前だけで、一度は歩いてみる価値がありそうな道です。京都を舞台とした小説にはしばしば登場して、たしか御手洗潔シリーズの探偵・御手洗の初登場シーンも哲学の道で寝そべっているだとか、そんなのだった気がします。
四季折々の木々、薄く流れる川、風情ある建物、涼しい風。南禅寺から銀閣寺をつなぐ南北方向の道なのですが、朝の散歩にはぴったりです。蚊はちょっと多いです。
ちなみにKとTは丑三つ時にここを歩いて、山の鳥居へ向かって歩いていく老人を発見したそうです。哲学の道の端までたどりついて着信履歴を見たら不在着信が100件近く来てたそうです。怖いですね。
その他の細かいところは『森見登美彦の京都ぐるぐる案内』もあることなので、森見さん本人の口から聞いてみたらいいのかもと思います。
ぼくが京都でしたことといえば御所でUFOを呼んだり、鴨川で百物語をして麻薬の売人と間違われたり、スーパームーンを観賞しながらその妖しさに魅せられた友人Kが自分の眼鏡を割ったりだとか、夜通し映画を見て、文学談議に花を咲かせたりだとか、酒と煙草と男と男……。
曰く、黒髪の乙女も、めくるめく薔薇色の大学生活もすべては諸君ら次第なのである。
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