勝手に「このマンガがすごい」。オールタイムベスト10 その②
青木です。
この記事の続き。
「恐ろしい子……!」、紫のバラの人、白目などの独特の表現は読んだことのない人でもなんとなく知っているのではないでしょうか。(『カイジ』などの福本作品に共通する愛され方をしています)
北島マヤと姫川亜弓という境遇もタイプも全く違う二人の天才女優が、「紅天女」という伝説の役をめぐって競い合う文科系スポ根マンガ。
アメトーーク等ではどうしてもその表現がネタにされますが、物語が純粋に面白い。
特に好きなのは、マンガの中で演じられる劇中劇。「たけくらべ」「奇跡の人」「嵐が丘」などの名作舞台がめちゃくちゃ刺激的に、濃く描かれています。
読み始めると続きが気になって気になって。
お芝居はもちろん、ドラマや映画、ドキュメンタリーが好きな人にはおすすめです。
槇村さとる『華のなまえ』
ついでにこちらも女優の話。大女優を母に持つ二世モデルが、演劇を志し、悩みながら進んでいく短編読み切りです。
こちらも劇中劇が最高。バカにされていた主人公が、最高の演技を見せ、スタッフに認められるところは、何度読んでも気持ちがいい。
初めて読んでから、数え切れないほど読み返しています。
『おいしい関係』などで知られる槇村さとるは、乾いたヒロインとツンデレのイケメンを書かせたら当代随一。『華のなまえ』にももちろん出てきます。
ネチネチした恋愛ものが苦手な人は、爽快感あっておすすめです。
井上雄彦『リアル』
浦沢直樹『MONSTER』と悩みましたが、こちらを。
『SLAM DUNK』、『バガボンド』など、何回マンガ界に金字塔を打ち立てるんだという井上雄彦先生。
最近は筆でマンガ書くようになって、見た目もお坊さんみたいになって、屏風絵とか書いてはりますな。
車いすバスケの話なのですが、やっぱり凄いと思うのは、とにかくカッコイイ人が出てくること。
試合のシーンのスピード感がものすごい。あとは、ダメな人にやさしい台詞が多いのも、好きです。
聖千晶『すすきのみみずく』
「ダマされたと思って読んでほしいマンガ」第一位。
とにかく読んでほしい。
それぞれに問題を抱えた受験生たちが、ある夜、予備校とは反対の電車に衝動的に飛び乗ってしまう。
そこからはじまる、みみずくの森での共同生活が、とにかくみずみずしい。
自分たちで風呂をつくったり、ナイフを持つ格好いい大人が描かれていたり。憧れました。
すごく、いい気持ちに、なれると思います。
西原理恵子『毎日かあさん』
『西原理恵子の人生画力対決』(浦沢直樹、福本伸行、萩尾望都、青山剛昌などの超有名漫画家とうろ覚えで絵を描きあうイベントのマンガ化。めちゃくちゃ面白い)、『いけちゃんとぼく』などで知られる西原理恵子の代表作。
絵とか字が合わない人は合わないと思います。
ただ、人生を賭けたギャグは、はちゃめちゃに面白い。
そして、下品に笑わせに来たかと思えば、急に草原と青い空をバックに、どうしようもない人にやさしい言葉を書いて泣かせにくる。ぼくの西原理恵子で泣く率は100%に近いです。
どうしようもない人の代表が、前夫の故・鴨志田譲さん。
5巻はこの人との別れが描かれているのですが、これは、あかん。
コマとコマの間に省略された壮絶な暮らし(鴨志田さんはアル中という病気でした)が、凄みになっていて。ほのぼのした日常ギャグマンガなのに胸に迫ります。
以上、オールタイムベストでした。
感想とかあれば、ぜひともコメントください!
取り急ぎ。